パソコンのセキュリティを高めに設定していると、ホームページによってはうまく表示されないことが時々ある。そんな時に使うのが〝ホワイトリスト〟である。簡潔にいうと、「これは正しい・問題がない」とされる情報を登録し、以降、その情報に関しては無条件で素通りさせるというものである。
しかし危険性もある。1つは、一度登録された情報はその後、往々にして正誤の再チェックがなされないこと。もう1つは、その情報の〝正しさ〟を足場に、あるいは隠れ蓑にして、別の論理が組み立てられ、流用・悪用されてしまう可能性を含んでいることである。
先日、妻(長野出身)と話していた時の事。
私「小学校の運動会といえば露店だよね」
妻「え?露店なんて出たことないけど?」
私「あー。長野はそうなんだ、珍しいね?」 小学校の運動会といえば、校庭に露店が立ち並び、昼の休憩時間にはリンゴ飴やチョコバナナ等を楽しんだものである。しかし、それはどうやら全国的な事象ではないらしい。ところが小学校の6年間、毎年露店を楽しんでいた私は〝小学校の運動会とは露店を楽しむものである〟という認識のもと、〝露店の立たない地域があるのか。珍しいな〟と考えてしまった。まるでホワイトリストのごとく、自分の中にある情報を無条件に信用し、利用・流布、更には押しつけまでしてしまったのである。
思いのほか有効範囲の狭い〝自分の中の正しさ〟に足場を置くことの危うさを思う。
それにしても、小学校の運動会で露店が立つのは、控えめに言って日本の伝統文化であるとすら思っていた。休憩時間中に食べ終わらなかったリンゴ飴を、親に押し付けるところまで含めて。
私「でも、露店の出ない運動会なんて何するの?」
妻「え、運動会を何だと思ってるの?」
『Network9(2023年4月号)より引用』佐々木 誠信(茨城1組 一乘寺)







