葬儀や法事の際にお包みされる香典。以前はお線香や供花を持参される方もおりましたが、現在ではお金を香典袋(金封)に包んで、お渡しすることが多くなっています。香典袋は手軽に購入することもできれば、一味違ったお洒落なものも増えております。しかし、いざ香典袋を用意しても、表書きはどのように書けばいいのか、迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、真宗大谷派の香典袋の表書きについてご紹介します。
そもそも香典ってなに?
「香典(こうでん)」とは元来、仏前にお供えする御香のことを意味します。インドでは尊い人に会うときに、香をたき、香をささげるという習慣がありました。ですから仏教では仏に御挨拶するための作法として焼香があります。焼香してから合掌するのはそのためです。現代では、その香の代わりに金銭をお渡しするようになりましたが、これは葬家(喪家)の急な出費を互いに助け合う相互扶助の考えからもきております。
香典の書き方は?
香典は不祝儀袋に包むものですが、宗派によって種類が異なり、香典袋の表書きについても、「御香典(ごこうでん)」、「御霊前(ごれいぜん)」、「御仏前(ごぶつぜん)」、キリスト教では「御花料(おはなりょう)」、神式では「玉串料(たまぐしりょう)」と、様々です。香典袋は和紙の無地のものか、のしのない白黒の水引のついたもの、あるいは黄白の水引のついたものも用いられます。参列される葬儀前に葬家の宗旨を調べてから、香典を包まれるほうが望ましいです。
真宗大谷派では香典の表書きをどのように書くの?
私たち真宗大谷派では、香典の表書きを「御香資(ごこうし)」、「御香儀(ごこうぎ)」、「御香典」などと書きます。あくまでも「御香料」として遺族にお渡しするためのものだからです。また、香典と一緒に菓子折りを持参する際には「御仏前」や「御供」と書いた黒白、もしくは黄白の水引をかけます。お菓子はお参りされた方々に配られる場合も多いので、個袋入りのものが好まれるようです。