Kさんのこと

昨年3月17日、突然Kさんから電話をいただきました。ちょっと相談があるから、来てほしいというのです。 いつもどおりの元気な声音.なので、「いまご自宅ですか、お店ですか」と聞けば、「病院からなんですよ」との答えに、一瞬とま…

僧侶って何だろう

ご法事を終え、お斎(おとき;食事)をいただいているわたしのそばに、お礼の挨拶とお酌をしに施主の方がやってきました。「今日は有り難うございました。死んだ親父も喜んでいることでしょう。これで安心しました。」(読経に対して皆さ…

虫さんと葉っぱさんとお盆

先日、箱根湯本の温泉に宿泊いたしました。初日はお風呂に入りそびれてしまいましたので、翌日の朝早く、最上階の大浴場に入りました。浴場の外には露天風呂もあり、早速外へ出てみると、人一人が入れる大きな陶器のおわん(手水鉢)のよ…

短い人生だったけど

「 1歳という短い人生だったけど、彼にとっては大切な一生だったのでしょうね。」 数年前、1歳の我が子を亡くされたお母さんが、お通夜の席で述べられた言葉です。まだその事実を受け取る余裕もないお母さんが、その深い悲しみから、…

新しい人生がはじまった

A君が、寺とご縁が結ばれて約20年になります。本気になって教えを聞き始めたのは、約7、8年前。寺の報恩講で、一講師の法話に感動してからのことです。都内に事務所をもうけ、電話をひき、自分ひとりで経営していた貿易関係の会社が…

地獄を生きる力

いま国内に、寝たきりで看護を受けている人が、老若合わせて100万人以上います。家族を含めると、相当数の人が病と死との苦闘をしているわけです。先日、名古屋でビハーラ活動をしておられる田代俊孝師の講演がありました。ビハーラと…