巻頭コラム⑫ 『阿弥陀さんの謝罪』
『阿弥陀さんの謝罪』 ひとは、誰かに謝罪をしてもらわないと気の済まないものを抱えている。車庫から車で、外の道路に出ようとしたとき、左から走ってきたバイクと接触しそうになった。バイクの運転手は、「いい加減にしろ、このやろ…
『阿弥陀さんの謝罪』 ひとは、誰かに謝罪をしてもらわないと気の済まないものを抱えている。車庫から車で、外の道路に出ようとしたとき、左から走ってきたバイクと接触しそうになった。バイクの運転手は、「いい加減にしろ、このやろ…
『「仏説」としての「煩悩具足の凡夫」』 我々人間は、どうして「我々は…」という感じ方をするのだろうか。野球のWBCの試合を観戦していたとき、どうしても、「日本」を応援したくなる自分がいた。相撲や卓球の試合を見ていても、別…
『「存在倫理」の疼き』 誰が見ても、ロシアによるウクライナ侵略戦争は間違っていると思えるのに、その考えは、いわゆる「西側」という色メガネを掛けた人間たちの感覚なのだと教えられた。それは、 「国連人権理事会での『理事国とし…
『一人一世界(ひとりいちせかい)の奪回』 まさか二十一世紀になって、武力により他国を侵略するなどということが起ころうとは、思ってもみなかった。国連は、他国間の紛争仲裁システムだと思っていたが、これも組織の成り立ちに問題を…
『孤独感の罪』 二〇二二年一月二十七日に「埼玉県ふじみ野市」で起きた「散弾銃男立てこもり事件」が抜きがたい棘のようにこころに刺さっている。事件の完全解明はまだだが、私が気になった点は、犯人(六十六歳・男)が母親(九十二歳…
『希望をも超えた世界』 コロナ下にあって、みんな憂鬱な顔で暮らしている。このようなとき、〈真宗〉は何を発信できるのかと問われた。ただ、コロナについてはいくら探しても朗報らしきものは見つからない。そして原点に帰された。〈真…
『〈真・宗は「死なない」宗教〉』 「死なない」とは不老不死の意味ではない。そのために「死なない」と括弧を付けた。 以前、私はこのように理解していた。「人間ばかりでなく、すべての生き物は死ぬ。死は生理的なことで誰も逃れるこ…
『〈コロナ〉というメタファー』 新型コロナウイルスという見えない存在により、全世界が怯えている。このウイルスが恐れられているのは、感染していても症状がすぐに現れないことと、感染してからの致死率の高さだ。科学者に聞くと、ウ…
『元号からの問いかけ』 「元号」とは、「古代中国の前漢の武帝の時代に始まった制度で、皇帝の時空統治権を象徴する称号」(ウィキペディア)である。つまり、「天皇が統治支配する時間・空間」のことだ。政府の元号選定論議では、中国…
『人間の諸問題が〈人間界〉では決着つかん』 人間の「諸問題」は、突き詰めてみると「あれかこれか」という質の問題だ。民主主義は素晴しいと言って、手を挙げた結果、「49対51」になったらどうするか。その49人は51人の意見に…