「永代供養をお願いしたいのですが」と寺院に来られる方が増えました。事情があり、お墓を継承することが難しくなり、ご相談される場合が多いようです。昨今は「墓じまい」という言葉も聞かれ、「永代供養墓」「樹木葬」という埋葬方法も増えてきました。そのようなときに、永代供養という言葉が「永代に亘ってご遺骨を預かり供養する」という意味で使われますが、そもそも、永代供養とはどのようなものなのでしょうか。また、浄土真宗の寺院では「永代経法要」という法要が勤められる場所もあります。ここでは「永代供養について」「寺院での永代経」「墓地のあり方」をお話しします
そもそも「永代供養」って?
昨今では、ご遺骨を納骨する方法や期間として「 永代供養 」という言葉が使われており、「永代に亘ってご遺骨を預け供養してもらう」「寺院や墓苑に管理をしてもらう」という意味で使われる場合が多いのではないでしょうか。そもそも、永代供養とは、お亡くなりになった方へ向けて、生きている者が善根を積んで成仏するように、永代にわたって「追善供養」を僧侶にお願いすることでした。浄土真宗の教えでは、その「供養」を転じて、命終された大切な方を、阿弥陀仏の建立された浄土へ往生された諸仏として尊び、「南無阿弥陀仏」とお念仏を申すなかで、新たな再会をしていくことが、亡き人(諸仏)の側から願われていることを供養するという言葉の中身として受け取ってきました。私たちが何かをする前に、亡き方からの願いを聞く大切な機縁を「供養」として受け止め、そのような願いをずっと聞き続けることを「 永代供養 」と呼んでいます。
永代供養墓とは
「墓じまい」という言葉が使われておりますが、墓地を各家や各人が管理することが難しい時代になり、墓地のあり方が変化しております。永代供養墓には、個別安置や集合安置、期間経過後は合葬するなど、様々なタイプがありますが、どのような場合においても、目の前の亡くなられた方のその姿を通じ、自身の姿を見つめなおす大事な機縁になることには変わりありません。様々な場所で永代供養墓が建立されておりますが、真宗大谷派の寺院にも多く建立されております。是非お問い合わせください。
※寺院検索は東京教区(1都8県)の真宗大谷派の寺院を調べることが出来ます。
永代経法要の意味とは
浄土真宗の寺院では「永代経法要」を勤めることがあります。永代経とは、お経(仏の教え)が、この私にまで届けられたことを受け止め、それをつないでゆくための法要です。この永代経においてなされる御懇志は、伝えられてきた教えが、さらに次世代に受け継がれるために、また、その場(本堂など)の護持や教化に用いられます。また法要には、ご法話があります。お経(教え)のことばを私が聞くために法要が執り行われるのです。「亡き人を案ずる私が、亡き人から案ぜられている」という法語があります。亡くなった方のために経が読まれるのではなく、亡くなられたことの悼みや悲しみを通して、自分の歩んで往く道を共に教えられていく法要と考えます。