肉食妻帯・非僧非俗の覚悟

肉食妻帯・非僧非俗、これは私にとって親鸞聖人を想うときの大切なキーワードです。親鸞聖人は9歳で出家し比叡山にて修行されました。29歳、比叡山を降り京都吉水の法然上人の弟子となられ、念仏の道に入られました。35歳、僧籍を奪…

利益

「見捨てられていない」という感触は、人間に力を与える。 もう一歩前へ踏み出してみよう・・・。ここもうひと踏ん張りしてみよう・・・。 そんなふうに励まされる力は「利益(りやく)」である。 「相手を選ばない」ということ以上に…

眠りと憶念[おくねん]

猫は一日に18時間くらい寝るそうです。いつもうらやましいなぁと思いながら、寝姿を眺めています。人間は、ひとによって睡眠時間はまちまちです。7時間以上寝ないと、短命になるとか、寝過ぎてもいけないとか、いろいろにいわれていま…

「普通」とは

テレビや新聞では「親殺し」「子殺し」「モラル危機」にともなう「崩壊」のニュースがあふれ、娑婆世間に生きる私たちを切なく重苦しくしている。マスコミは事件のたびに現場付近の住民にマイクを向けている。 その答えの多くは「普通の…

心に残った葬儀

朝、ご門徒の娘さんから電話があった。「母が今朝亡くなりました」と。入院されていることは聞いていたが、まさか、そんなに具合が悪かったとは思ってもいなかった。ご主人の葬儀の後、住まいの近くでお墓を探されていて、たまたまうちを…

心に残る法事

法事でお勤めをした後、通常は法話をします。それは大人を対象にした話なので、いつも一緒に参列しているお子さんが退屈そうにしていることに心苦しいものがありました。お勤めが終わり少しの沈黙があると、たいてい小さな子の「もうおわ…

向こうからの眼差し

仏教は偶像崇拝ではないか。イスラム教からの批判です。なるほど、仏像(絵像、木像)を本尊として礼拝しているのですから、当然の批判だと思います。 でも、この頃思うのです。偶像崇拝でない仏教において、敢えて仏像を本尊と仰ぐとこ…

お経

「お経」の「経」の文字は「たていと(経糸)」と読む。経糸と緯糸(よこいと)と言えば織物のことである。人生を一枚の織物にイメージして、この文字を当てたのかは定かではないが、なるほどと思わされる部分もある。 京都の西陣は織物…