「報恩講」という言葉をご存知でしょうか。浄土真宗では年間に様々な法要を勤めておりますが、その中で最も大切な仏事として、報恩講を勤めております。京都にある本山や各地の別院、全国にある9,000ヶ寺で勤め、多くのご門徒とご一緒にお参りをしております。ここでは、報恩講とはどのような願いをもった法要なのか、どのように勤めているのかをご紹介します。
報恩講ってどのような法要なの?
浄土真宗の宗祖である親鸞聖人は、1262(弘長2)年11月28日に90歳の生涯を終えられました。阿弥陀如来、親鸞聖人をはじめ、念仏の教えに生きられた先達に思いを馳せ、その恩徳に感謝し報いるための法要が、報恩講です。お念仏の教えを聴聞し、自らの生活を振り返るときとして、真宗門徒にとって「1年は、報恩講に始まり、報恩講に終わる」と言われるほど、1年で最も大切な仏事なのです。全国各地の寺院・教会をはじめ、ご門徒の家々においても勤められており「お取越」や「お引上」の名で親しまれています。「お取越」とは、親鸞聖人のご命日が巡ってくる前に取り越して勤めることからそう呼ばれており「お引上」も同様の意味です。報恩講は、人々が寄り添い、お斎をいただくなど、共にふれ合いつつ聞法する場として、今日まで脈々と勤められています。
報恩講ってどのような法要なの?
京都・東本願寺では、親鸞聖人のご祥月命日である11月28日を結びに、毎年11月21日~28日までの8日間にわたり勤められています。親鸞聖人の教えを引き継ぐ真宗の各派本山でも、毎年報恩講が勤められていますが、勤める日が異なります。東本願寺では新暦の11月28日を御命日としていますが、西本願寺では旧暦の御命日の11月28日を新暦に換算した1月16日を御命日として、毎年1月9日から16日まで勤められています。