「真宗との出会いと今」

 私は両親がともに公務員の在家に産まれた。実家は真言宗の檀家だったが年1、2回家にお坊さんが来てお経をあげてもらうだけで、結婚前に実家の宗派を確認するまで全く知らなかったくらいに仏教とは縁が無かった。進学した高校と大学は…

「私の闇を照らす言葉」

 真宗にとって、信心ということは大切な要だと思いますが、私自身、「信心というものはこれだ」と、はっきり言うことができないでいます。  一方で、『歎異抄』の中でも「如来よりたまわりたる信心」とおっしゃっているので、聞法して…

「思いの丈を叫ぶ」

 獄中で死亡したロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の妻、ユリヤさんが声明を発表する様子を、先日テレビで見た。その声明の中でユリヤさんは言う。夫が殺されたことで、自分は心身の半分を喪ったが、しかし、もう半分はまだ残っている…

「壁を作るのは私」

 今年の1月末に前住職が亡くなり、人との関わり方について考えることがある。私は人との関わりができているのだろうかという自問でもある。  前住職は私の義祖父だ。30歳を過ぎて入寺し、それまでの親戚付き合いとは違い、深く前住…

「虫にもいのちがあるんだよ」

 どの園にも必ずいるであろう「虫大好きっ子」。年長児のAくんもそのひとりです。珍しい虫はもちろん、どこにでもいるようなものや、大人なら嫌がりそうなものでも「先生、あそこに〇〇がいた!」とうれしそうに報告してくれます。他の…

「あげはちょう」

 アソカ幼稚園はバス通りに面し、住宅に囲まれた所にあります。狭い園庭の中で、少しでも「自然」を感じられる場を作りたいと思うのですが、そんな私の思いとは裏腹に、子ども達はアリの動きを観察したり、だんご虫をケースに入れてみた…

「慈しみの光の中で」

 0歳児から就学前までの大勢のこどもたちと生活する中で、日々様々な出来事に出遇います。  ある日、3人の年長児が、砂場の近くでカップを見つけました。カップには、砂が平らに詰め込まれていて表面はよく磨き上げられたようでツル…

「建学の精神「和」の実践」

 聖徳学園の建学の精神は聖徳太子の17条憲法第一条に由来する「和」をかかげています。本園は創立90年の幼稚園で、昨年園舎が新築され、新たな一歩を歩み出しました。  300名近くの園児が高層ビルに元気な声を響かせていますが…

「共に」

 4 年前、私は大学卒業と同時に練馬和光保育園に入職しました。これから、今の私の生きていく上での軸を形成した言葉を2 つお話しします。入職した当時、浄土真宗の勉強会に参加させていただき、最後の座談会で「これからは園児たち…