巻頭コラム⑥
『〈真・宗は「死なない」宗教〉』
『〈真・宗は「死なない」宗教〉』 「死なない」とは不老不死の意味ではない。そのために「死なない」と括弧を付けた。 以前、私はこのように理解していた。「人間ばかりでなく、すべての生き物は死ぬ。死は生理的なことで誰も逃れるこ…
『〈真・宗は「死なない」宗教〉』 「死なない」とは不老不死の意味ではない。そのために「死なない」と括弧を付けた。 以前、私はこのように理解していた。「人間ばかりでなく、すべての生き物は死ぬ。死は生理的なことで誰も逃れるこ…
『〈コロナ〉というメタファー』 新型コロナウイルスという見えない存在により、全世界が怯えている。このウイルスが恐れられているのは、感染していても症状がすぐに現れないことと、感染してからの致死率の高さだ。科学者に聞くと、ウ…
『元号からの問いかけ』 「元号」とは、「古代中国の前漢の武帝の時代に始まった制度で、皇帝の時空統治権を象徴する称号」(ウィキペディア)である。つまり、「天皇が統治支配する時間・空間」のことだ。政府の元号選定論議では、中国…
『人間の諸問題が〈人間界〉では決着つかん』 人間の「諸問題」は、突き詰めてみると「あれかこれか」という質の問題だ。民主主義は素晴しいと言って、手を挙げた結果、「49対51」になったらどうするか。その49人は51人の意見に…
『スマホ内世界は二十願の世界』 電車に乗って、周りを見渡してみると、ほとんどのひとがスマホを片手に何やらやっている。ひと昔前までは、新聞や本を読むひとが多かったが、いまでは、それは皆無に近い。スマホでゲームに熱中するひと…
『〈未生怨〉(みしょうおん)の誕生』 「未生怨」は、『涅槃経(ねはんぎょう)』に出てくる言葉ですが、私はそれを、すべての人間に当てはめて、「生まれながらに怨みを抱えている存在」と言い換えています。ですから「未生怨」でない…
令和元年東日本台風(台風第19号)に遭って 今までに経験のない災害に見舞われた。町は惨憺たるもの。泥やゴミに汚れ人々の殺気ともいえる空気が立ち込める道の真ん中で、自分の無力さを思い知らされ立ち尽くす。こんな時に寺は何がで…
新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るっている。目に見えない不安や、先の見えない不安におびえる中、海外ではマスクをした東洋人というだけで暴力を受けた映像が報道された。国内でも咳き込むだけで周囲から白い眼差しが向けられる。…
新型コロナウィルスによる感染拡大が続いている。虫や鳥が花粉や種を運ぶように、ウィルスは効率よく世界中に広がっていった。そのスピード感は人間社会のグローバル化を嘲笑うかのようだ。街からは活気が失われ、行き交う人々の表情は暗…
お釈迦さまが何をもって 出世の大事とされるかというと私に大無量寿経を手渡し 私の生きることの中心にその聴聞があることを見守ることです 私の宗祖である親鸞聖人(1173~1262)は、40歳年上の法然上人が面授(大切な教え…